
次世代を担う子ども達に必要な思考力とは?
保護者の皆様へ
21世紀を迎えて早20有余年、AIの隆盛が叫ばれる現代において「読み・書き・計算」というかつての「学力」観はいよいよ過去のものとなりました。新たな時代に求められるものはこうした単純な処理能力ではなく、問題を正し く捉え、自らの手で解法を創り上げる「問題解決」の能力であり、その中では、英・国・数・理・社に代表される学校教科の知識は問題解決のツールに過ぎないのです。これらを使いこなすことが「次世代の学力」であり、その根底にある基礎とは「思考力」に他なりません。「次世代児童思考力検定」は現代に必須となった「思考力」の重要性を広く知らしめるとともに、子どもたちのその獲得・向上をサポートすることを目的として実施されるものです。
思考力を構成する5つの能力
「次世代児童思考力検定」が対象とする「思考力」とは、従来の暗記に偏重した学力観の中では見過ごされてきた「自らの思考によって問題を解決する力」です。私たちの創造性を支える認知能力と操作能力により「思考力」は形成され、具体的には次の5つの能力を構成要素としています。
01
図形認識
「図」と「地」を区別し、個々の対象を正確に捉える力。図形の特徴を正確に捉え、他と区別する力は、図形以外の 思考対象を把握する力にも大きく寄与します。精緻な思考のために正確な把握が欠かせず、これがなくては精度を欠いた曖昧な思考から抜け出ることができません。
04
抽象化
対象から規則性を取り出し、更にその規則を他の対象に適用する力。正確に捉え操作する力を前提に、対象から一般性を導出して規則的に思考することが「問題解決」の第一歩です。こうした思考は「科学」の営みそのものであり、高度な知的能力は抽象的な思考から始まると言っても過言ではありません。
02
空間認識
複数の視点から対象を捉え、操作する力。「操作」は図形の回転や裏返し、折り曲げをイメージする力を基礎に、具体的な手続きの前後で思考対象に生じる変化を想定・予測することを指します。自ら問題解決の手法を創り出していく上で重要な解法のイメージ構築に必須の力です。
05
論理
順序立てて思考する力。上記4つの力を基に「問題解決」の能力を発揮するためには、具体的なプロセスを構築する必要があります。1つ1つの手順が持つ意味、最終的に得られる結果を把握するためには物事を順序立てて思考する論理の力が必要です。
03
数量感覚
「量」として対象を捉え、思考する力。ここでいう量は対象を把握するための「単位量」を差し、「数量感覚」とは「1個」「5L」「10km」のように単位量と組み合わせて量的に思考する数理解の基礎をなすものです。「数とは何か」ということを感覚的に体得していなければ、数学的な能力を育てることはできません。